型月に受け継がれるエリザベート系ヒロインの系譜(菌糸類キャラ限定)

皆さんお久しぶりです。月姫リメイクはクリアしましたか?僕はクリアしました。旧作の良さを残しつつ新要素もうまくミックスさせた素晴らしいリメイクでしたね。

やってない人は是非、プレイしてみてください。やって後悔することはないと思います。是非!!!!!!!!!!

さて、ごくごく最近(2021-10月)の型月関連の話題としてはFgoのハロウィンイベントの話が盛り上がってます。今回の記事ではその次回ハロウィンイベの中核となるであろうエリザベートとそこから色々なヒロインに受け継がれていったエリちゃん属性の話をしたいと思います。なお

月姫リメイクに関わる重大なネタバレを含んでいるので未プレイの方はブラウザバック推奨です

エリザベートのキャラ性

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CCCのエリザ

エリザベートと聞いてどんなイメージを思いつくでしょうか?

多くの人はアイドル。かわいい。チョロそう。歌下手。そんな感じのイメージが湧くと思います。しかし、それらはエリザベートというキャラの一側面に過ぎず、一番重要な側面はFgoではあまり多く語られていません。魔界村ハロウィンや空の境界コラボイベントでは触れられていましたが,やれてない人も多いでしょう。

じゃあ,エリザベートというキャラの一番重要な側面は何か。それはです。

CCCにおいてエリザベートは自己の美の追求のために他人を殺害したり,拷問したりする残酷なキャラでした。

CCCにおいてエリザベートは,CCCのテーマであるエゴを描く点で「自己の容姿に固執する」という誰もが持つ自己愛の部分と肉体的残酷行為を担当しており、彼女はCCC時代、人の痛みを分からず、人が痛んでいるのを見て始めて相手を人間であると感じ、自分の美の為には残虐行為も当然であると感じているほどに精神が歪んでいました。

生前では史実通り多くの女性の血で作られた浴槽(ブラッドバス)などに代表される多くの残虐行為を美の保持のために行っていたため,生前合わせた彼女が手にかけた罪のない人々の数はfate作品の中でも特に多いでしょう。

一方で彼女は自己の美と他人の支配以外に全く関心がないために純粋であるという側面も持っています。

だから現代において人を「自己の美」で「支配」できる「アイドル」という概念に強く憧れてたんです。その認識は間違っていることをCCCでとある出会い(長くなるのでCCCをプレイしてみてください)を経験したことで自覚したためFgoのような自己の為でなく他人の為にも戦える性格になれたんです。

エリザベートは悪なのか

では、エリザベートは完全な悪人であるのか?そうではありません。その精神のゆがみには理由があります。

生前当時は貴族主義が主流だった時代であり、彼女にとって自分の美のための拷問、残虐行為は貴族主義の化身として当然の行為、呼吸同様の義務、職務であり、周囲がそうあるべきと望んでいたのです。彼女にとってこれらの行為は領主として住民の支配、管理に真っ当に取り組んだ結果だったのです。

彼女が残虐行為を行ったのはその領主としての立場のせいであったため、残虐行為は自己の快楽のためのものではありませんでした。(他のスキル「拷問技術」のキャラと大きく違うのはこの点。彼女は快楽の為の拷問は行わず、異常行動も伴わず、城主としての美の劣化の苦しみ、頭痛から逃れるために精神的な一貫性のない残虐行為を繰り返した)ただ、人を「自己の美の為の犠牲にする。」それだけしか道はなく、他の道を教えられることもなく、ただ民衆のために、貴族の当然の義務として行った残虐行為は周囲がそう望んだかのように咎められることもなく繰り返され、その果てに罪に問われ監禁され、牢の中で日々劣化していく自己の美を感じながらその救われなかった悲しい生涯を終えました。

「どうして」「何も悪い事なんてしてなかったのに」

その自覚はなくとも、周囲にそう望まれようとも、咎めるものが誰一人いなくとも、それが彼女にとって当然な事だったとしても、無知は罪。

その美しい城主が手にかけた人数は彼女を罰するに値する物でした。

それが悪いコトだったなんて、誰も、私に教えてくれなかったくせに

このエリザベートの独白が、エリザベートの抱える罪とそのどうしようもない救われなさを表していると思います。

快楽の為の罪はなく、そうすることしかできなかった救いようのなく贖いようのない罪

歪むしか道はなかった精神。こんな悲しい要素、救われない要素がエリザベートのとても重要なキャラ性で、例えFGOで改心後のエリザベートが主流になったとしてもこれらの側面をエリザベートは消えることなく背負っているんです。

これからの善行で救われる人がいたとしても犯した罪は消えることはない。月姫でもHFでも描かれた重要なテーマです。

型月に受け継がれるエリザベート的キャラ

ここからが本題です。エリザベートが好きすぎてなんか前置きが2000文字くらいになってしまいました。

さて、このような救いようのない、どうしようもない精神のゆがみや罪を抱えたキャラの系譜は型月に受け継がれていきます。ここからは実際にプレイしてエリザ味を感じたキャラを二人紹介していきます。

ノエル先生

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昼は見目麗しい教師。しかし夜の姿は死徒を狩る代行者

まず、記憶に新しい月姫リメイク新キャラのノエル先生です。

彼女はシエルの体に転生したロアが巻き起こしたフランスで行われた儀式(フランス事変)に巻き込まれた人の一人かつその生存者です。

ノエル先生はロア(シエル)が巻き起こしたフランス事変で家族や友人を失い、憧れの人に裏切られながらも生き残り、心に深い傷を負ったままシエルとともに代行者になりました。

しかし、元々優れた魔術回路を持っていた上にロアの影響で不死身、不老の肉体まで手に入れ、様々な拷問の果てに埋葬機関に所属されたシエルとは対照的に一般人であったノエルは代行者の中でもパッとせず、苦悩の果てにシエルとパートナー関係になることになります。

罪を全霊で償おうとしているとはいえ、かつて自分の人生を滅茶苦茶にしたシエルに弟子入りを志願する事の辛さは想像するのもしんどいくらいです。

5年(うろ覚えですすいません)もの間の共闘、シエルは心を殺し鬼神のような強さで死徒を殲滅し、その姿にノエルは憧れと尊敬も抱くようになりましたが、そこは生まれ持っての性質、ソウヤでの事件では自身の能力の限界を知っているからこそ格上には挑めず(ヴローヴなど)、格下の死徒をそんな自分へのイラつきをぶつけるように残虐に始末していきます。差が開くばかりの力関係、埋まらない自分の空白時間、精神がフランス事変に取り残されたまま体だけ成長する自分、ほぼ同じ境遇なのに体が成長しないシエル、これらの要因でこの時点でノエル先生の精神はもう限界を迎えていたでしょう。

そして一番のターニングポイントはあろうことか心を殺し残虐に死徒を狩ることで贖罪を行っていたシエルが遠野志貴の影響で普通の人間に戻ろうとしていたことである。

シエルという最後の理解者であり、最大の仇があの事件を生き抜いた一番の被害者の自分を差し置いて一人だけ感情があり幸せがある人間に戻ろうとしているんだからその精神的ダメージは相当な物でしょう。吸血鬼化の恐怖、死の恐怖、成長の恐怖、フランス事変にとらわれたままの精神。ノエルの心をゆがませた原因をすべて仇のはずで理解者だったはずのシエルは克服している。

劇中であんな感じになったとしてもしょうがないと思えます。

ですが、ノエルがあの状態になったことで起こした惨劇はたとえその始まりがどうあれ罪である事には変わりがありません。

ノエル先生も救われることがなく、それを起こした原因をどうすることもできない罪を背負っている、エリザベートのエッセンスを受け継いだ悲しいキャラクターの一人です。

妖精騎士トリスタン

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メスガキ言うな

奈須さんの執筆順的に、多分ノエル先生より後に書かれたキャラクターであるため、このキャラを最後に持ってきました。

知っている方も多いと思いますが妖精騎士トリスタンはFgoきっての悲しい悪役です。

モルガンの娘として生まれた妖精騎士トリスタンは、そのあまりのやさしさに他妖精からこき使われ毎回毎回凄惨な最後を迎えてしまいます。そこで、その性格が残虐非道であるべきとモルガンに教え込まれ、モルガンの娘として魔術や魔道具などを扱った強い力とトリスタンのギフト襲名による、他の妖精への残虐行為という形で自身の安全を確立しました。

しかし、その悲しい過去の果てに生まれた今の妖精騎士トリスタンの事情を知る人はモルガン陛下以外存在せず、普通に接してくれるのはキャストリアだけでした。

いいパートナーだと思っていたベリルにも利用され、妖精たちほぼ全ても敵に回り、誰も味方がいないまま、この妖精騎士トリスタンも凄惨な末路を迎えました。

残虐でなければ妖精國では生きられない。残虐であるべきことが愛する母への愛情表現。その始まりに罪はないですが、やってる行為は残酷な残虐行為です。

実際に行動を起こした時点で罪は罪。始まりがどうあれその魂は救われない。

妖精騎士トリスタンも悲しい過去を持ちながら、罪を重ねる事でしか生きる事ができなかった悲しく、辛い罪を背負ったキャラです。

 

奈須きのこさんのトレンド

いかがだったでしょうか?これらのヒロイン。救われる要素が少ないのですが、だからこそどうしようもない魅力を持っていて、強い共感と同情が誘われますよね。

何とかしてあげたいって思いますよね。幸せな二次創作が見たい。トリスタンには陛下とピクニック行ってて欲しいし、エリザには観客の為のライブで素敵な歌声を響かせてほしいし(人のために歌う歌はとても上手という設定がある)、ノエル先生は理解のある彼君(遠野君的な)と幸せに過ごしていて欲しい。

そんな願望はさておき、奈須きのこさんは最近やたらこのようなエリザ系列のキャラを書いています。個人的には大好物なのでとても嬉しいのですが、ファンとしては初めて触れたそんな悪役ヒロインの原点らしきエリザベートを知ってほしい。その思いが強いです。

新しい奈須さんのトレンドの原点かつ、純愛なストーリーのCCCを是非皆さんお願いします。もしくはノエル先生をよろしくお願いします。